Serve One Another

天網恢恢疎而不漏

総力戦としての労使紛争

今日で,鳥商日本株式会社の取締役を解任されてから,ちょうど半年が経過した。

 

「tOriPay」を振り返る

ふと思い立って,かつてのサービス名である「tOriPay」で,TwitterやGoogleを検索してみた。

至らなかった事ばかり思い出しながら,さぞかし叩かれていたのだろう,嫌われていたのだろうと,ビクビクしながら,開いてみた。

しかし,思いのほか,好意的な声が多かった。そもそも,手数料が相当に安かったことと,tOriPay停止後は,競合であったPocketChangeが手数料を2倍の15%にしたことが,効いたのだろう。tOriPayのAlipay両替は,家本賢太郎会*1の命令で,最後まで1%の手数料だった。銀行口座を持っていれば,Alipayの出金手数料0.5%を加えるだけでWeChatPayに移管できるから,1.5%だ。今思えば,破格である。

その後,類似のサービスもでたようだが,折角だからチェックしてみたら,手数料が20%とか,馬鹿げた世界が広がっていた。あのな,英国の消費税じゃないんだから。

そういう訳で,当時は,案外うまくやっていたのだなと,ちょっとだけ安心させてもらうことができた。

上場を予定するクララオンライン・家本賢太郎社長との闘い 

鳥商社を解任されて以降は,文句の付け所がないほど一介の労働者となったので,今日に至るまで,総力戦としての労使紛争がつづいている。

私は,暇な時間はいつでも組合事務所に詰めるようにしていたので,クララオンライン・家本賢太郎との紛争を含め,ここ半年で,数え切れないほど多数の労使紛争に関与することになった。

労働組合,または地域合同労組というのは,実に優れた仕組みだと思った。

激しい争議を敢行し,金銭の力に屈服しない労働組合は,会社を労働者と同じ土俵に引きずり下ろし,自分自身にとっての具体的な脅威や苦痛,危険の中で,名誉と未来をかけて行う「たたかい」の場として,労使紛争を位置づけることができる。

労働組合に加入しなくても,弁護士をやとえば,解雇無効を争うことはできる。しかし,この種類の争いは,本人にとっては40年弱しかない勤労生活の5%,10%,またはそれ以上をかけた争いである一方で,会社にとっては,200万円ばかしの経費がかかるイベントのようなものでしかない。取締役個人のお金を使っているわけでもない。

要するに,他人事なのである。家本賢太郎社長が,かつて教えてくれたところでは,クララオンラインでは,かつて7人ほどの労働者を(一方的に)解雇したことがあるという。これには,最低で200万円,最大で900万円かかったと,自慢げに語ってくれた。

今回の争議が幾らかかったのか*2は知らないが,言い方からして明らかなように,他人事なのである。買ってみたサーバーが使えなかったから3000万円損した,的な話と,まったく同じベクトルである。

 

地域合同労組のちから

しかし,プレカリアートユニオンにおいて,クララオンライン事件を含む多くの争議を経験して感じたのは,地域合同労組による争議行為には,ブラック企業の経営陣を「自分ごと」の土俵に引きずり出し,正面から働きかけを行い,カネをいくら払うという問題に留まらない,フェアな紛争に転換する力があるということであった。

プレカリアートユニオンに対して不誠実な交渉を行い,欺き,嘘をつけば,組合はあらゆる手段で相対するブラック企業の弱点を探り,重大な労使紛争を多数解決してきた実績ある労働組合としての信用を背景に,これを社会的にアピールする。

また,拡声機を持参して社前集会を行い,地域社会や取引先に対して事実を暴露することもできる。

この期に及んで,ブラック企業の経営陣は,ようやく,ただ金銭が云々,時間が云々に留まらない,自らの名誉と将来をかけて,正面から相対せねばらならない問題が目前に迫っていることを知るようだ。

このとき,はじめて,労使紛争は,労使対等のものとなる。労使ともに,自らの実存をかけて,正義を争うことになるからだ。裁判所は,よほど穏当を欠く表現や態様でない限りは,社前における街宣活動を,組合の正当な業務として容認しているが,実に優れたバランス感覚であると思う。一見すると,なにか過激な政党か宗教のように見える「街宣」の2文字だが,ブラック企業が行使する金銭の威力,ベールを引き剥がすためには,これが必要なのである。

 

総力戦としての労使紛争

 

一方で,対等な立場でたたかえば,それは往々にして総力戦へと転化する。

ここでいう総力戦とは,戦略目標を達成するためであれば,戦いの主体が本来有していた良心を含めて,あらゆる制約を否定して効果的な手段を選択し,実行する戦闘のことである。

クララオンライン事件も相当なものがあったし,場合によっては,これからも,今まで以上の被害が見込まれるのであるが,他の事件を見回しても,総力戦の悲惨さは,目を覆うばかりであった。

労働契約とは,たんに時間と賃金との交換契約ではない。労働行為のなかには,つねに,より繊細な人間同士の関係が包蔵されている。

総力戦としてのーー裁判所外での決着を前提としたーー労使紛争は,しばしば,勝利のために,とにかく相手方を悪魔として位置づけ,中傷,攻撃し,築き上げてきた信頼関係の全部を破壊し,滅却するほどの衝突を生じうる*3

先述のように,この場合における労使紛争は,労使ともに「自分ごと」として行っているものであるから,この破壊活動の深刻性,悲劇性は甚だ深い。そもそも労使関係は,労使がいったんは信頼し合って労働契約の締結をするに至って発生するものであるから,紛争は,つねに,裏切りを生むのである。

使用者はとにかく金銭をかき集め,関係者の説得に回る。労働者は家族親類に支援を仰ぎ,まともな組合は,争議をどこまでも支援する。並行して裁判も行われるが,争議自体が真剣に行われていたほどに,裁判の結果など,もはやどうでも良く思えるに違いない。

 

職場で存在した信頼関係や思い出,共有した小さな秘密,そのすべてを巻き込み,破壊し散らし,傷つけて,戦闘は進展する。組合は組合法を盾に,公然と会社を批判するが,会社は,業界内で陰に陽に情報を流したり,収入源の途絶をねらったり,家族に圧力をかけるなど,それぞれの戦術で「敵」を攻撃する。

戦いが終わったときには,結果がどうであれ,双方の名誉が深く損なわれ,当事者以外の関係者が何人も辞職を余儀なくされ,秘密であったはずの情報が飛び交い,探偵屋や弁護士だけが暗躍して,金銭をポケットに入れ,当事者の前には,ただ荒野がひろがっているのである。

クララオンライン・家本賢太郎社長(内閣府男女共同参画会議・議員)による脅迫メール

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(家本賢太郎氏による,当時の電子メール。人を精神科医院にまで追い込んでおいて,面と向かっての話し合いに応じず,これである。クララオンラインを名証に上場させたいということで,必死だったのだろう

今にして思えば,「あなた自身の将来を考えると」とか「履歴書上,今後のことを考えると,転籍のほうがきれいである」とか,巧妙な退職強要でしかない。内閣府男女共同参画会議・議員をやったぐらいだから,政治的な言い回しがうまいのだろうか)

 

誠実な交渉態度

私が今思うのは,弁護士や労働組合が登場する前から,相手を対等な契約の相手方として捉え,なにごとも話し合いによって,納得ずくで進めていくべきだということだ。

労働紛争は,つねに,労働者の納得を軽視し,強行的に解雇や賃下を強行する使用者に対して,労働者が団結して異議を申し立てることによって始まる。しかし*4,採用時は話し合いによって雇い入れたのだから,解雇するときや賃下が必要なときも,話し合いによって,まずは臨むべきなのだ。

これを怠り,横柄な弁護士を並べ,または団体交渉を拒否して,労働者と労働組合を侮辱したとき,争議が開始される。

例えば私が,11月,辞任した*5池田元取締役の分も働いたことを踏まえて,賃金関係については一定の考慮を示して欲しいと,家本賢太郎社長や執行役員の長谷川大輔氏に申し出たとき,彼らは,管理監督者だから*6といって,深夜手当11千円だけを支給して,管理監督者手当と翌月以降の一切の深夜手当等は不払いとした。また,同席したE弁護士は,「委任契約だから,本来はまったく払わなくてよいお金だ」とまで言ってのけた*7

その報復だろうか,冬のボーナスは一方的にゼロにされ,これに異議を申し立てている内に「労務管理が不安だ」とするE弁護士の主導で私をクララオンラインから追い出す工作が始まり,3月には,何らの話し合いもないままに,「会社都合退職の手続をとる」とのメール(上の画像)が送りつけられた。

 

ちなみに,家本社長には,目黒にも行くし,電話も取るから,Slackではなく直接話し合いたいと,何度も申し出た。しかし彼は,あくまでもSlackで私を遠隔攻撃することにこだわった。

今でも,5回もチャンスがあったし,社前集会でも散々呼びかけた*8のに,団体交渉には出て来ない。

ひとから,面と向かって不正を指摘されるのが怖いのだろうか?

内心の事情は知らないが,著しく人間を軽侮した態度といえるだろう。

 

堂々と,話し合え。根拠を示せ。

「総力戦」は,決して不可避なものではない。相手を尊重して,誠実に対話に臨む姿勢さえあれば,お互いに,何ひとつ壊されずに済むのである*9

*1:親会社の社長だから,こう呼ぶべきだろうか

*2:今後,今までの倍はかかかると思うが

*3:離婚紛争がイメージとしては近いと思われる

*4:私はいつも言っているのだが

*5:鳥商日本株式会社の

*6:これ自体は間違っていないのだが

*7:その後,私を労働者として「懲戒処分」に処するのだから,これは著しく詐欺的な態度だといってよいだろう

*8:窓から顔を出していたので,きちんと聞いていたと思う

*9:その方が,お金も掛からない