Serve One Another

天網恢恢疎而不漏

総力戦としての労使紛争

今日で,鳥商日本株式会社の取締役を解任されてから,ちょうど半年が経過した。

 

「tOriPay」を振り返る

ふと思い立って,かつてのサービス名である「tOriPay」で,TwitterやGoogleを検索してみた。

至らなかった事ばかり思い出しながら,さぞかし叩かれていたのだろう,嫌われていたのだろうと,ビクビクしながら,開いてみた。

しかし,思いのほか,好意的な声が多かった。そもそも,手数料が相当に安かったことと,tOriPay停止後は,競合であったPocketChangeが手数料を2倍の15%にしたことが,効いたのだろう。tOriPayのAlipay両替は,家本賢太郎会*1の命令で,最後まで1%の手数料だった。銀行口座を持っていれば,Alipayの出金手数料0.5%を加えるだけでWeChatPayに移管できるから,1.5%だ。今思えば,破格である。

その後,類似のサービスもでたようだが,折角だからチェックしてみたら,手数料が20%とか,馬鹿げた世界が広がっていた。あのな,英国の消費税じゃないんだから。

そういう訳で,当時は,案外うまくやっていたのだなと,ちょっとだけ安心させてもらうことができた。

上場を予定するクララオンライン・家本賢太郎社長との闘い 

鳥商社を解任されて以降は,文句の付け所がないほど一介の労働者となったので,今日に至るまで,総力戦としての労使紛争がつづいている。

私は,暇な時間はいつでも組合事務所に詰めるようにしていたので,クララオンライン・家本賢太郎との紛争を含め,ここ半年で,数え切れないほど多数の労使紛争に関与することになった。

労働組合,または地域合同労組というのは,実に優れた仕組みだと思った。

激しい争議を敢行し,金銭の力に屈服しない労働組合は,会社を労働者と同じ土俵に引きずり下ろし,自分自身にとっての具体的な脅威や苦痛,危険の中で,名誉と未来をかけて行う「たたかい」の場として,労使紛争を位置づけることができる。

労働組合に加入しなくても,弁護士をやとえば,解雇無効を争うことはできる。しかし,この種類の争いは,本人にとっては40年弱しかない勤労生活の5%,10%,またはそれ以上をかけた争いである一方で,会社にとっては,200万円ばかしの経費がかかるイベントのようなものでしかない。取締役個人のお金を使っているわけでもない。

要するに,他人事なのである。家本賢太郎社長が,かつて教えてくれたところでは,クララオンラインでは,かつて7人ほどの労働者を(一方的に)解雇したことがあるという。これには,最低で200万円,最大で900万円かかったと,自慢げに語ってくれた。

今回の争議が幾らかかったのか*2は知らないが,言い方からして明らかなように,他人事なのである。買ってみたサーバーが使えなかったから3000万円損した,的な話と,まったく同じベクトルである。

 

地域合同労組のちから

しかし,プレカリアートユニオンにおいて,クララオンライン事件を含む多くの争議を経験して感じたのは,地域合同労組による争議行為には,ブラック企業の経営陣を「自分ごと」の土俵に引きずり出し,正面から働きかけを行い,カネをいくら払うという問題に留まらない,フェアな紛争に転換する力があるということであった。

プレカリアートユニオンに対して不誠実な交渉を行い,欺き,嘘をつけば,組合はあらゆる手段で相対するブラック企業の弱点を探り,重大な労使紛争を多数解決してきた実績ある労働組合としての信用を背景に,これを社会的にアピールする。

また,拡声機を持参して社前集会を行い,地域社会や取引先に対して事実を暴露することもできる。

この期に及んで,ブラック企業の経営陣は,ようやく,ただ金銭が云々,時間が云々に留まらない,自らの名誉と将来をかけて,正面から相対せねばらならない問題が目前に迫っていることを知るようだ。

このとき,はじめて,労使紛争は,労使対等のものとなる。労使ともに,自らの実存をかけて,正義を争うことになるからだ。裁判所は,よほど穏当を欠く表現や態様でない限りは,社前における街宣活動を,組合の正当な業務として容認しているが,実に優れたバランス感覚であると思う。一見すると,なにか過激な政党か宗教のように見える「街宣」の2文字だが,ブラック企業が行使する金銭の威力,ベールを引き剥がすためには,これが必要なのである。

 

総力戦としての労使紛争

 

一方で,対等な立場でたたかえば,それは往々にして総力戦へと転化する。

ここでいう総力戦とは,戦略目標を達成するためであれば,戦いの主体が本来有していた良心を含めて,あらゆる制約を否定して効果的な手段を選択し,実行する戦闘のことである。

クララオンライン事件も相当なものがあったし,場合によっては,これからも,今まで以上の被害が見込まれるのであるが,他の事件を見回しても,総力戦の悲惨さは,目を覆うばかりであった。

労働契約とは,たんに時間と賃金との交換契約ではない。労働行為のなかには,つねに,より繊細な人間同士の関係が包蔵されている。

総力戦としてのーー裁判所外での決着を前提としたーー労使紛争は,しばしば,勝利のために,とにかく相手方を悪魔として位置づけ,中傷,攻撃し,築き上げてきた信頼関係の全部を破壊し,滅却するほどの衝突を生じうる*3

先述のように,この場合における労使紛争は,労使ともに「自分ごと」として行っているものであるから,この破壊活動の深刻性,悲劇性は甚だ深い。そもそも労使関係は,労使がいったんは信頼し合って労働契約の締結をするに至って発生するものであるから,紛争は,つねに,裏切りを生むのである。

使用者はとにかく金銭をかき集め,関係者の説得に回る。労働者は家族親類に支援を仰ぎ,まともな組合は,争議をどこまでも支援する。並行して裁判も行われるが,争議自体が真剣に行われていたほどに,裁判の結果など,もはやどうでも良く思えるに違いない。

 

職場で存在した信頼関係や思い出,共有した小さな秘密,そのすべてを巻き込み,破壊し散らし,傷つけて,戦闘は進展する。組合は組合法を盾に,公然と会社を批判するが,会社は,業界内で陰に陽に情報を流したり,収入源の途絶をねらったり,家族に圧力をかけるなど,それぞれの戦術で「敵」を攻撃する。

戦いが終わったときには,結果がどうであれ,双方の名誉が深く損なわれ,当事者以外の関係者が何人も辞職を余儀なくされ,秘密であったはずの情報が飛び交い,探偵屋や弁護士だけが暗躍して,金銭をポケットに入れ,当事者の前には,ただ荒野がひろがっているのである。

クララオンライン・家本賢太郎社長(内閣府男女共同参画会議・議員)による脅迫メール

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(家本賢太郎氏による,当時の電子メール。人を精神科医院にまで追い込んでおいて,面と向かっての話し合いに応じず,これである。クララオンラインを名証に上場させたいということで,必死だったのだろう

今にして思えば,「あなた自身の将来を考えると」とか「履歴書上,今後のことを考えると,転籍のほうがきれいである」とか,巧妙な退職強要でしかない。内閣府男女共同参画会議・議員をやったぐらいだから,政治的な言い回しがうまいのだろうか)

 

誠実な交渉態度

私が今思うのは,弁護士や労働組合が登場する前から,相手を対等な契約の相手方として捉え,なにごとも話し合いによって,納得ずくで進めていくべきだということだ。

労働紛争は,つねに,労働者の納得を軽視し,強行的に解雇や賃下を強行する使用者に対して,労働者が団結して異議を申し立てることによって始まる。しかし*4,採用時は話し合いによって雇い入れたのだから,解雇するときや賃下が必要なときも,話し合いによって,まずは臨むべきなのだ。

これを怠り,横柄な弁護士を並べ,または団体交渉を拒否して,労働者と労働組合を侮辱したとき,争議が開始される。

例えば私が,11月,辞任した*5池田元取締役の分も働いたことを踏まえて,賃金関係については一定の考慮を示して欲しいと,家本賢太郎社長や執行役員の長谷川大輔氏に申し出たとき,彼らは,管理監督者だから*6といって,深夜手当11千円だけを支給して,管理監督者手当と翌月以降の一切の深夜手当等は不払いとした。また,同席したE弁護士は,「委任契約だから,本来はまったく払わなくてよいお金だ」とまで言ってのけた*7

その報復だろうか,冬のボーナスは一方的にゼロにされ,これに異議を申し立てている内に「労務管理が不安だ」とするE弁護士の主導で私をクララオンラインから追い出す工作が始まり,3月には,何らの話し合いもないままに,「会社都合退職の手続をとる」とのメール(上の画像)が送りつけられた。

 

ちなみに,家本社長には,目黒にも行くし,電話も取るから,Slackではなく直接話し合いたいと,何度も申し出た。しかし彼は,あくまでもSlackで私を遠隔攻撃することにこだわった。

今でも,5回もチャンスがあったし,社前集会でも散々呼びかけた*8のに,団体交渉には出て来ない。

ひとから,面と向かって不正を指摘されるのが怖いのだろうか?

内心の事情は知らないが,著しく人間を軽侮した態度といえるだろう。

 

堂々と,話し合え。根拠を示せ。

「総力戦」は,決して不可避なものではない。相手を尊重して,誠実に対話に臨む姿勢さえあれば,お互いに,何ひとつ壊されずに済むのである*9

*1:親会社の社長だから,こう呼ぶべきだろうか

*2:今後,今までの倍はかかかると思うが

*3:離婚紛争がイメージとしては近いと思われる

*4:私はいつも言っているのだが

*5:鳥商日本株式会社の

*6:これ自体は間違っていないのだが

*7:その後,私を労働者として「懲戒処分」に処するのだから,これは著しく詐欺的な態度だといってよいだろう

*8:窓から顔を出していたので,きちんと聞いていたと思う

*9:その方が,お金も掛からない

鳥商のおもひで(7)

団体交渉のはなしに,戻る*1

 

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(セットアップが完了した当時の商品)

鳥商社を立ち上げ,県人寮の狭い部屋を,深圳から仕入れたタブレットPCと,ロシアから仕入れたソフトウェアでいっぱいにしていた私は,京王線のとある駅にほど近い,スーパーの本社で開催された団体交渉に,自信満々で臨んでいた。

自信というのは,「仮にここで負けてクビにされても,オレは食っていける」という自信である。今にして思えば,若干わけがわからないが,当時は,そう思っていたのである。

 

あの頃の会計帳簿は残念なことに持っていないが,もともと,資本というのは,友人の岡本君から調達した5万円しかなかった。

このように,何をどう考えても綱渡りの財務状況なのに,私は変に自信満々で,無駄に費用をかけて作った名刺を懐に入れて,団体交渉にのぞんだ

 

団体交渉では,清水委員長が,解雇の理由は何だと,普通の調子で追求しはじめた。そうすると,例のエリアマネージャーが,店舗の人との協調性がどうのこうの,と説明をはじめた。

しかし,その実際の動機が,牡蠣フライ事件にほかならないことは,わかっている。言い逃れができると思ったのか。

清水委員長がそのカードを切る直前,私は間抜けにも,相手の会社や弁護に対して見栄を張る目的で,個人事業の名刺を配付してしまった。

ああ!バカにも程がある!!!

 

折角だから解説をすると,解雇無効の争いには,審判や判決の日以降,じっさいに働いて賃金を得る意味と,審判や判決が出るまでの間,働く意思があったのに,会社のせいで働けなかったに過ぎないのだから,その間の賃金を払えという意味(バックペイ)の,ふたつの側面がある。

自営業の名刺なんか配ってしまうと,前者の面でみれば,「別の仕事を始めたから,スーパーで働く意思を放棄した(=したがって,解雇が無効でも,どのみち働かなかったのだから,解雇されていた間の賃金は,払わなくてもよい)という主張や,「会社のせいで働けなかったとしても,別の場所で働いて利益を得たのであるから,その分をバックペイから控除せよ」という主張に悪用される。

このときは清水委員長も困惑したのか,団体交渉の最中なのに,私に,しきりに抗議を申し入れてきた。私の方では,まったく訳を知らないからぽかんとしているのだが,ついに見かねたスーパーの弁護士が,「組合内で協議する時間を設けましょうか」といって,席を外そうと申し出た。

清水委員長がそれを受け入れたので,スーパーの弁護士や取締役は,別室に去っていった。最近は,失業者らしく暇を持て余しているので,清水委員長の団体交渉を傍聴するようにしているのだが,こんな椿事は,起こったことがない。プレカリアートユニオン結成以来比類のない,相当の迷惑をかけたと言ってよいだろう。

 

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(当時は,旅行に行くのが好きだった。石巻に行ったときの写真)

 

団体交渉は,休憩を挟んだ後,相手の弁護士のペースで進んだ。今でも,あのときほど決まりの悪い団体交渉を見たことがない。あれ,おかしいな,午後から休んでいるはずなのに体力が段々ゼロに……

団体交渉終了後は,なんで名刺なのか出したのかと,駅前のロイヤルホストで散々怒られた。私は,ロイヤルホストなんてブルジョア的じゃないかとか,どうでもいいことを考えながら,そうでしたごめんなさいと平謝りをした。

しかし,「落とした牡蠣フライを客に提供した」という事実自体が,相当に強烈だったのだろう。これを宣伝されることを恐れた会社は,結局,解雇を撤回した。そもそも週3で早朝働いていただけなので,額は少なかったものの,バックペイも,もらうことができた。

これに若干の慰謝料を合わせて,2ヶ月分の生活費ぐらいになっただろうか。私は,口座に振り込まれた示談金を,すべて事業資金に充当することにした。

 

鳥商社,初めての増資であった。

 

 

*1:ここ1週間,比較的体調を崩していたので,更新することができなかった

鳥商のおもひで(6)

平成28年5月25日,私は,三鷹市井之頭の県人寮で,鳥商日本株式会社の前身となる個人事業を開業していた。

 

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(当時の名刺裏面。法人化後なので,厳密には当時ではないが,デザインはだいたい同じ)

 

名刺に書いてあるとおり,コンピューターとソフトウェアの輸入販売をしていた。このうちコンピューターについては,今はなきはこBOONに負荷をかけまくり,毎日多数を朝晩問わず発送した。

何分,半分フリーターの生活である。今思えば,このやり方はクレバーだった。事業が不調でも,賃金所得があれば,生活自体は,最低限赤字にはならない。

創業を志す若者には,最低限,このように副業的にやるか,または,実家に住んで,家賃を払わずにすることを,強く勧めたい。この場合,うまくすれば,事務所家賃までタダになるのだ。大失敗*1をしても,食費ぐらいはカバーしてもらえる。これほど素敵な条件はない。

当時はウクライナ事変の影響があってルーブル安で,私は,コンピューターをこの頃精度が急上昇していた中国から,ソフトウェアをロシアから買ってこようと考えた。実際,この作戦は,それなりにうまく行った。

いっぽうで,立ち塞がったのは,商標法の問題であった。ロシアから購入してきたMicrosoft Office搭載の商品を,マイクロソフトディストリビューターではない私が,Microsoft Office搭載だと称して売ったら商標法違反になるのかどうか,という問題に,頭を抱えた。

 

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(時と場合とレートとによっては,お得になることがある。ただし,購入には色々なテクニックが必要。それを突き止めるのが仕事だった)

 

今でも強引な法解釈だと思うのだが,販売者が商標権者ではないのに,商標を利用することによって,あたかも商標権者であるかのように見せかけたので商標法違反,という判決が,このころ連発されていた。

もちろん,実際に逮捕されているのは,商標法で叩けなくても何かしらの法律で叩けなくてはならないような違法コピー屋さんなので,取り締まりが行われること自体は仕方がないと思うのだが,とはいえ,「こいつも怪しいかも知れない」と思われたら,正当に輸入しているから無罪という判決をどこかで勝ち取ったり,検パイ*2をいただいても,やっぱり逮捕は逮捕なので,家族関係を中心に,色々と問題は起こりそうであった。

むしろ,当時は今よりも,自分の身分が明らかになることを恐れていて,何事もこっそりとやっていたような気がする。今は,内閣府男女共同参画会議の議員さまであるクララオンラインの家本賢太郎を相手に,私が犯罪者かどうかという重要な問題を争っている関係上,通常考えられないほど何もかもをオープンにしているが,当時からそうしていてもよかった。

だがやはり,例のスーパーや学園祭実行委員会から解任・解雇されたお陰で,気が滅入っていたのだろう。追い出されてばかりである。

私は,私などが商売などして良いのだろうかと思いながら,なんだかんだ,深く深く調べて,みつけるのが楽しくて,商売に勤しんでいた。いつの間にか,それが主軸になっていた。

会計も,分からないながら,弥生会計を使って,付けはじめた。

 

予定では,次回記事でスーパーの団体交渉,その次で商標法について調べて走り回ったときのことを話したい。あくまでも予定だが。

*1:とはいっても,若者は何も持っていないので,自己破産したところで何一つ没収されるようなものがないことも,少なくない。私自身もやっぱり,そのクチである

*2:検察庁がゆるしてくれて釈放されること

金銭追求活動について

今日,同年代の友人2人と,新橋で飲んできた。案外いい店だった。

その中で,消費活動や所得に関する話をしたのだが,全体的な印象として,

 私の最近の考え方は,標準からほど遠いところにあるのか

 という意外さに満ちていて,色々と申し訳なくなってきた。

 

私が所属しているプレカリアートユニオンは,寡欲なところである。何かの祝賀行事でなければ,組織的に居酒屋に行くことはないし,飲酒をする場合も,多くはカクヤスで買って事務所内で飲む。非常に安い*1

それに慣らされてしまったのだろうか。鳥商社時代で一番贅沢をしたときは,共同創業者の池田君の勧めもあって,海南航空の飛行機の12時間遅延に疲れ果ててむしゃくしゃしたので,

インターコンチANAホテルのバーで1,500円のカクテルを2杯飲んだうえに宿泊した*2が,それ以上のことはなかったと記憶している。

それ以外は,もっぱら,ガストやバーミヤンに行くか,またはウエルシアで買った赤ワインを飲んでいた。今日話柄にのぼったような贅沢なんて,私にとっては,おカネがあってもなくても,縁遠いものなのである。

 

しかし,私は日頃,プレカリアートユニオンの活動として,金銭を目的に労働基準法に違反するブラック企業を批判している。これは,例のクララオンラインや,クリエイトエス・ディーなど,色々なものを挙げることができるのだが,

たとえば,このような演説をする*3

家本賢太郎社長のクララオンラインは,なぜ,金銭を獲得するために,タイムカードを捏造したのでしょうか。

家本賢太郎社長,私は,あなたの,5分の1未満の家賃のアパートに住んでおります。しかし,堂々とたたかい,今日もここに来ております。

なぜ,あなたは,法律をまもって,まっとうな生き方をすることよりも,目先の金銭,おカネを必要とするのでしょう。

10ヶ月もの間一緒に働きましたが,ついにわかりませんでした。私は,金銭を獲得できることよりも,道徳的であることを選びます。

家本賢太郎社長,ぜひ,ここに来て,答えて下さい。なぜあなたは,金銭を目的として,労働基準法に違反したのですか。あなたにとって,経営は金銭なのですか。

内閣府男女共同参画会議,議員の家本賢太郎社長。社会と金銭,どっちが好きなのですか。

私は,きわめて真剣に,右の演説をしている。基本的に,「個人的な金銭獲得を目的に,公共的規範である労働基準法に違反した」という点に力点を置いている。

 

私とて会社を立ち上げたことはあるのだが,既に述べたように,金銭の使い方はよくわかっていない若造なので,会社とは言っても,金銭獲得を目的にやっているつもりはなかった。発見を形にしていくプロセスと,多少の自由があることが楽しかった。

個人的には,この立場に一番共感する。

 

hg26.blogspot.com

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人生を快適なものにするすべてのもの――それを運命はゆたかに彼に与えたが――を誇ることもなく、同時に弁解がましくもなく利用し、そういうものがある時にはなんら技巧を弄することもなくたのしみ、無い時には、別に欲しいとも思わなかったこと

 

で書いたように,リーマン後,私は,妹が2人いるのに世帯年収200万円の生活をしたことがあるから,ないときにはべつにほしいと思わず,欲求の側を調節して生きていけるのである。これが当然だと思っていた。

 

ところが,今日友人と話して,私やプレカリアートユニオンが日頃批判している,家本賢太郎氏や廣瀬泰三氏の金銭獲得活動を,むしろ理解すべきなのではないかと思ってしまったのである。

私の父などは,私よりも,金銭獲得が好きである。もっともその金銭を,私やふたりの妹に,ほとんど投入してしまうのであるが。父だけでなく,昔の男たちは概して,今の私たちよりも強欲で,欲求を満たすことに目がなかったという。

 

かつて当家がそうであったように,おカネに余裕があると子供も多いから,5人も子供がいる*4家本賢太郎が,私の父以上に,おおくの金銭を獲得したい,単に育てばいいのでなくて,全員を医学部にやりたいという位の気持ちになることや,ヘリコプターに搭乗し,高級マンションに住みたくなるような気持ちが,少しだけ理解できた。

だってみんなそうなのだもの。

 

みんな金銭を獲得したいし,獲得するためならば,バレない範囲でスピード違反をしている。みんなと同じ違反をしただけなのに,ウチにだけプレカリアートユニオンの街宣が来るのはおかしい。

うーん……そうなのだろうか。でも,私が金銭を志向する側であれば,そう思うに違いない。理解の余地はある。

 

この点はしつこいほど強調したいのだが,私は,公益を目的に生きてきた人物ではない。反公益的なことを避けたいという気持ちと,自らの価値観に反することはしたくないという気持ちの衝突の中で,いつも隘路を進んできただけの,優柔不断の士である。

しかし,労働組合の活動は,演説を含めて,公益を知る庶民たちの心に訴えかけるためにするものだ。社長がエラいからとか,*5弁護士屋を沢山傭うことができたから正しいという,金銭力による良識の破壊を,許さないために行うものだ。

そうした中,私や組合の考えがむしろ社会のそれから離れていて,多くの人は,なるべく手段を選ばずに,金銭追求活動をもっと盛んにやりたいところ,それに運良く成功したブラック企業の社長を,金銭追求活動のために手段を選ばないからという理由で非難しているのであれば,どうしよう,と考えた。

金銭追求活動を志向する彼らがあたりまえであって,金銭追求活動を抑制し批判する労働組合が,むしろ反社会的なのだろうか。んんん???

 

帰りの銀座線で,最後のひとりになるまで居座り,降車客ひとりひとりの顔を,まじまじと見つめた。あの人もこの人も,金銭を強く要求しているのだろうか*6

よのなか,広い。長さ20メートルの銀座線の車輌1両の中にさえ,どんな思念が詰まっているかわからない。

*1:ユニオン運動センター内の組合が全部こんな感じ,という意味ではない

*2:ひとり頭13,500円

*3:曖昧に思い出して書いているものなので,家本賢太郎氏の弁護士屋さんは,時間の無駄であるから録音データと照合しない方がいいと思う。でも,照合作業をやってタイムチャージを請求すれば,これまた金銭獲得の大チャンスである

*4:私が暴露しているのではなく,家本賢太郎みずから,ブログのプロフィール欄にそう書いている

*5:高いメシばかり食べてプニプニした……弁護士というのは全般に,会うたびに,デーン!!とばかりぜい肉を見せつけられるので,不愉快である。弁護士屋と接点のない生活がしたい

*6:何に使うんだろう……

鳥商のおもひで(5)

あっけないものであった。

私は,その場で制服などを没収され,スーパーを放り出された。

 

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(解雇の様子。黒塗り部分は,和解条項のためやむを得ず非開示)

 

人間同士の関係には,つねに,始まりと終わりがある。しかし,ほとんどの場合,始まりにも終わりにも,「話し合い」という過程が介在する。労働契約の場合,これは「採用面接」や「書類選考」にあたるだろう。

会社を辞める際にも,ふつうは,時期や条件,理由について,それなりに話し合った上で退職する。しかし,解雇というのは,これらの話し合いの一切をスキップして,一方的に,労働者を会社から追い出す行為である。

ここに,「解雇」という行為の特異性がある。

 

私は,スーパーを追い出された直後,動転して,自転車で出勤したのに徒歩で帰宅した。というのも,今後どうすべきか,必死で考えていたから,あれほど好きで高知から持ってきた自転車のことさえ,忘れてしまっていた。

 

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(高知から持ち出す際,まさに解体されようとする本件自転車)

 

私は,必死で記憶をたどり,プレカリアートユニオンという労働組合に電話をかけた。

 


この組合に知人がいたわけでも何でもないが,概して左寄りの国際基督教大学*1の効用か,かつて,引越社事件に関する宣伝が,Facebook上で流れてきたことがあったのである。

それで一度ウェブサイトを見たことがあり,そのときの印象が残っていた。

 

私は,家路を,急ぐこともないのに急ぎながら,プレカリアートユニオンに電話をかけた。清水直子委員長が電話に出た。この時,私の説明があまりにも要領を得ないので,結局何が問題なのかと,叱責された覚えがある。

その日か,またはその翌日,私は初台駅にあるプレカリアートユニオンに出向いて,清水直子委員長と面会した。

清水直子委員長は,大変さばさばとした人で,当時としては,コワい女の人だなあ,という*2印象を受けた。しかし,当時のやり取りにおいて,唯一覚えているのは,

労働組合は,サービスの提供を受ける場所ではありません。加盟や脱退はあくまでも自由ですが,労働組合を,安い弁護士だと思っていて,自分の件が片づいたら脱退してやろうと考えているのであれば,加入してもらわない方がいいかもしれない。

組合は,あくまでも,助け合いを行う場所です。そのことを理解して加盟してくれるのであれば,私や,組合の仲間は,助力を惜しみません。

 と,コワい顔で宣告されたことである。

私は,実をいうとコワかったので,つまり,この要求をはねのけて席を立つ勇気がなかったので,わかりましたと答え,組合に加盟した。

 

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(当時の労働契約書)

 

組合に加盟したところ,清水委員長は,その場で団体交渉申入書を作り始めた。これはプレカリアートユニオンの伝統のようで,今でも,加入と団体交渉申入書の作成は,セットとして扱われている*3

 

そして,この日から1ヶ月後,最初の団体交渉が開催された。解雇されたスーパーの本社前で,清水委員長と合流した。

しかし,この団体交渉に前後して,私は,鳥商日本株式会社を,正確には,その前身となる個人事業を,開業していた。屋号は,「穰商事」といった。

これは,祖父である前田穰からとったもので,親戚内では,顰蹙と賞讃を同時に集めた。私も前田穰も,賛否が鮮明に分かれる生き方をした人物であるからだ*4

 

私は,穰商事をすでに開業しているから,解雇なんかコワくないという,普通でない心構えを秘めて団体交渉に臨んだ。べつに隠していたわけではないが,清水委員長には,このことを知らせていなかった。

 

ようやく鳥商社が設立された。次回は,この団体交渉の様子と,穰商事の業容を中心に筆を進めていきたい。

*1:ちなみに,この解雇されたスーパーのすぐ近くに,先輩曰く「左翼のカフェ」と言われるナゾのカフェないしレストランがあった。経営者も従業員も全員左翼であって,国際基督教大学から毎年アルバイトを大量採用しているらしい。あれは何だったんだろう。一緒に行く人募集中

*2:あまりにも幼稚な

*3:従って,加入するときは,手続に3時間ぐらいかかると覚悟するべきである

*4:前田穰は,徳島県の人で,運良く衛生兵として徴兵して戦死を免れ,復員後高知県内で職を転々とし,ガソリンスタンドを開業したものの,部下に現金を持ち逃げされて倒産し,サラリーマン暮らしに戻ったひとである。その後,ボランティア活動として,県内山林部の放置林を伐採していたところ,心不全を起こして急死する。これでも,個人的には尊敬している。大人しいように見えて,破天荒な行動を起こすひとだった

鳥商日本株式会社に関する謝罪公告

元会社経営者の端くれとして,最低限の責任を取る目的のもと,下記の謝罪文を,すべてのご関係者さまに対して,差入れます。

鳥商日本株式会社に関しては,私の不徳のゆえ,下記の謝罪文に列挙されている以外にも,多くの方に,大変なご迷惑・ご心配をお掛け致しました。

この場を借りて,心よりお詫び申し上げます。

 

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本件に関連して,上場(IPO)の準備中である株式会社クララオンラインおよび家本賢太郎氏が,確定判決はおろか,何ひとつとして具体的な証拠がないにもかかわらず,あたかも私が犯罪行為をしたかのような処分を行い,これを周知させていることから,

私が,懲戒解雇の事実を公にした以上は,同時に,このような犯罪行為をしたことがないことを釈明する必要があるので,謝罪を趣旨とする文書でありながら,この点について紙幅を割く必要があったことをご説明するとともに,謝罪いたします。

 

※追記 

クララオンライン事件については,裁判資料の全部を,このブログで公開することと致しました。

家本賢太郎氏と私と,どちらが犯罪者であるのか,皆さまに判断を仰ぎたいと考えております。

serve1another.net

鳥商のおもひで(4)

なんだか,アクセスが多い*1

実は,この連載を書くようにと勧めてきたのは,組合の理事である。

今は,まだ鳥商社が設立される前のことを書いているので,まったく組合活動らしくない展開になっている。

しかし,最近のことに話が進めば,労働紛争の記録としても,それなりに面白く,かつ,私自身が,プライバシーの権利をほとんど放棄しているため,非常に詳細かつ具体的な話ができると思っている。

このように,プライバシーにまったく配慮せずに,堂々と過去のことを語ろうと思った動機として,岡田基一判事の影響が大きい。

 

 

 

この判事は,東京高裁に勤めるエリート裁判官でありながら,実名で身分を明かしつつ堂々とTwitterをやり,自身のヌード写真を掲載し,そのために,分限裁判の憂き目に遭うものの,その書面さえ,まるごと公開して,堂々とたたかっている。

怪しいことや,悪いことをしていないから,できるのである。

 

ちなみに,怪しいことや悪いこと*2をしたことがある,家本賢太郎社長(株式会社クララオンライン・鳥商日本株式会社)は,なぜか,組合のTwitterがこの社長を批判し始めたときから,ブログの更新を止めている*3

 

 

私は,内閣府男女共同参画会議の議員を務めたこともなければ,タイガーマスク基金の監事を務めたこともないので,かれの3分の2の年齢はあるのに,その1割の名誉さえない。

また,公益のために活動してきたわけでも,正義のためにたたかってきたわけでもない。ひたすらに,関係者の利害と自己の選好の調整をはかり,かろうじて,一筋の道を見つけて,ひた走ってきた。

しかし,鳥商社資産の横領*4はおろか,およそ社会一般の非難に値する犯罪行為は,1回しか,したことがない。

何をしたかって?

小学校6年生の頃,親のサイフから6万円を盗んだのである。ほぼ全額をブックオフで費消して,こっぴどく怒られた。

この事実を白状してしまった以上,私にはもう,隠すことなど,何ひとつもない。

 

そのうえ,間違ったことをしていないときは,堂々と身分を明かしつつ語った方が,つよい。さきほど,岡田基一判事のことを紹介したが,同じように,自身の考えを堂々と語っていた判事で,失職に追い込まれた人もいる。

井上薫判事である。『司法のしゃべりすぎ』という新書を上梓したが,あっさりと,雇止めに遭った。裁判官には任期というものがあって,これを更新しないことは,基本的に,行政*5の自由なのだ。

では,岡田基一判事が,雇止めに遭わないのは,なぜか。私が思うには,誰よりも,堂々と,活動をしているからである。雇止めにすれば,連日の抗議集会*6さえ組織されかねない。野党の政治家の介入を招きかねない。最高裁はたまったものじゃないだろう。

したがって,私も,この判事にならって,堂々と身分を明かしつつ,筆を執ることにした。

 

***

 

話は,もどる。

私は,近所の某スーパーで,惣菜係として働くことにした。このとき,私は,これ以外にも2つほどのアルバイトを掛け持ちしており,大変多忙にしていた。

元々やっていた,コジマ電気の時間を増やすよりも,沢山の就労先に,分散させて,それぞれ,短時間勤めるようにしようと考えた。

 

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(当時の名刺。不要品をうりつけるのは心苦しかったが,お客さんや先輩には,恵まれた)

 

そして,就労先の中心点にあるマクドナルドなどで,空き時間に勉強や,その他したいことをしていた。

 

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失業者ゆえ,ヒマを持て余しているので,当時の就労状況を地図に示してみた。

青い点が当時の自宅であり,5カ所の赤い点が,当時の(最大時の)就労先である。全部,自転車で移動していた。

そんな就労先のひとつであるスーパーで,事件は起きる。

惣菜係らしく,揚げ物をパックに詰めて陳列をしていた,ある日のこと。先輩の,それなりに頼りにされているパートのおばさんが,牡蠣フライを,床に,おとした。

私はすこし驚いたが,捨てればいいだけのことなので,特段,気にも止めなかった。ところが,次の瞬間,そのおばさんは,牡蠣フライを拾って,なにくわぬ顔でパックに詰めたのである。

パックは,そのまま,売り場に運ばれていった。

 

唖然とした。10分ぐらい逡巡した後,おばさんに話しかけ,さっきのはまずいだろうと問い詰めた。おばさんは,ああそうですか,ごめんなさいね,はい済みませんでした,と,開きなおった。

パックを回収しようと売り場に出たが,その牡蠣フライは,もうなかった。

その日の夕方,出勤してきた店長に,このことを話した。店長は,渋い顔をしながら,報告としては承った,という趣旨のことを言った。

 

翌日,私が出勤すると,スーツ姿のエリアマネージャーがいた。

 

「きみ,わるいけど,辞めてくれないかな」

 

不当解雇の瞬間だった。このとき,鳥商社設立の,2週間前である。

*1:時間を無駄にしたという趣旨の損害賠償請求は,うけつけない

*2:のちの記事で,さんざん,紹介することになる

*3:家本氏は研究熱心なひとなので,内容自体はそれなりに面白く,楽しみに読んでいた。早く再開してほしいものである

*4:3万円から497万円までコロコロ変わっている

*5:あべぴょん

*6:原発テントのような何か